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齊藤 勇 教授

Isamu Saito, Ph.D

会った瞬間、恋に落ちる!その愛は本物か?!

齊藤 勇 教授

ひと目見たとき「この人だ」と思った、会った瞬間に身震いが起こり、「この人と一生をともにするのだ」と感じたなど、恋人との出会いを聞くと、ひと目惚れによる恋が多いことに驚き、感心させられてしまいます。では、ひと目惚れはどのくらいあるのでしょう?

アメリカでひと目惚れについて1500人に電話インタヴューしたリサーチがありますが、この調査では、その相手に初めて会ったときから1時間以内に恋愛感情を持った場合をひと目惚れとしています。
その結果によると「ひと目惚れはある」と答えた人が全体の60%を超えていました。男女で性差はなく、さらに「ひと目惚れは起こり得る」と答えた人のうち60%の人が、実際にひと目惚れを体験していたのです。ひと目惚れの経験には性差があり、男性のほうが女性よりも多いという結果になりました。そして男性で70%、女性では80%が「ひと目惚れは一生に1回だけの経験である」と答えており、ひと目惚れはいわゆる惚れっぽい人に生じる現象という通説とは違っていました。ひと目惚れを経験した年齢については、20歳前が半数以上を占めて、30歳以上と答えた人は10%でした。

このことから、ひと目惚れは若いときに起こりやすいことがわかります。さて、実はこの調査で最も驚く結果は「ひと目惚れをした人との結婚」なのです。ひと目惚れは情熱的ではありますが、それは感情のおもむくままなので一時的であろうと思われていましたが、ひと目惚れをした人の半数以上の55%の人が、その相手と結婚したと答えたのです。

さらに「長期的な付き合いをしている」人を含めると70%以上が一時的な恋愛ではないことがわかりました。しかも離婚率が50%を超えるアメリカにおいて、ひと目惚れの相手と結婚した人の離婚率は20%、女性の場合は10%以下だったのです。ひと目惚れは単なる一時的な感情の高ぶりではなく、一生を決める“運命の出会い”であることが明らかにされたのです。

現在の研究のテーマ

  1. 対人心理の比較文化的研究
  2. 恋愛心理学

どんな研究なの?

恋愛の際に揺れ動く人の心について、また人間関係などについて、心理学的な見地から研究を進めています。

主な担当科目 シラバス検索

  1. 対人・社会心理学演習
  2. キャリアとライフ

ゼミ

3年生から毎年12名前後。
対人心理学に関係した論文を読み、統計処理の仕方を学び、数字の見方を追いかけながら、いかに解釈するか勉強を進めて行きます。ゼミでのこうした学習をステップにして卒論へ。

対人・社会心理学演習1  3年生Ⅰ期対象 選択必修科目Ⅰ

授業概要は対人心理学に関連した専門雑誌の論文を読み込み、対人心理学の知識を学び、研究方法を習得し、卒業論文研究がスムーズに進められる力を養うことを到達目標とする。
統計の学習は本年度は特にSPSSのトレーニングを集中的に行う。
次のような対人心理学や社会心理学のテーマについて、SPSSを使用して統計的な分析方法を学習する。

  • 清潔志向性尺度の作成と男女比較-尺度構成の基本的な分析手続き
  • 友人関係スタイルと注目・賞賛欲求-尺度を用いて調査対象を分類する
  • 恋愛期間と別れ方による失恋行動の違い-グループ間の平均値の差を検討する
  • 若い既婚者の夫婦生活満足度に与える影響-影響を与える要因を探る
  • 5因子性格が自己愛傾向に与える影響-存在変数間の因果関係を検討する
  • 知能が算数の学習効果に及ぼす影響-存在変数モデルを利用する

友人関係スタイルや恋愛のタイプの違い、別れ方による失恋行動の違い、社会的態度の男女比較、性格特性と自己愛傾向の関係など、のデータを元に、尺度構成法、平均値の差の検定、分散分析、因子分析などの統計手法をSPSSを用いて学ぶ。

●アドバイス
発表・発言をしっかりすること。SPSSの予習復習を行うこと。

対人・社会心理学演習2  3年生Ⅱ期対象 選択必修科目Ⅱ

演習1で学んだことをベースにして、さらに対人心理学に関連した専門雑誌の論文を読み込み、対人心理学の知識を深め、研究方法を習得し、卒業論文研究がスムーズに進められる力を養うことを到達目標とする。

  • 授業計画

「社会心理学研究」「実験社会心理学研究」「心理学研究」「教育心理学研究」「心理学臨床学研究」「カウンセリング研究」「産業カウンセリング研究」など、日本の各心理学会の専門雑誌の中の対人心理学の関連した論文中、各自、興味あるテーマをピックアップして、発表し、その内容について担当教員がコメントし、その後、ゼミ生全員でディスカッションしていく。

  • 具体的なテーマとしては、例えば次のようなものがあげられる。
  • 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感
  • 大学生の親密な関係性におけるポジティブ・イリュージョン
  • 心身の健康に及ぼすHealth Locus of COntrol とソーシャルサポートの効果
  • 孤独感の高い大学生の対人行動に関する研究
  • 対人関係において認知された自己と親密度の関連
  • サービス産業における採用および就労満足に関連するパーソナリティ
  • 他者依存性と心理的苦痛の関係に及ぼすソーシャル・サポートの影響
  • 自己意識が化粧行動と、素顔を見せることに対する抵抗感に与える影響

●アドバイス
発表・発言をしっかりすること。

卒論

到達目標は、卒業論文の作成。
よりよい卒業論文の作成に向けて、一人一人の学生との面談を重視し、個人指導を充実させていく。

卒論のテーマ

例えば以下のような対人心理学や社会心理学に関したものである。

  • 大学生における自己開示と孤独感の関連性についての実証的研究
  • パーソナル・スペースと性格との関連についての実証的研究
  • 対人信頼感と遅刻に対する態度の関係性の実証的研究
  • 気晴らし方略の有効性に関する実証的研究
  • 化粧が及ぼす自己及び他者への影響の実証的研究
  • 対人関係における思いやりについての実証的研究
  • 男女の恋愛観・結婚観の対外についての実証的研究
  • 別れ方による失恋後の心理の実証的研究

●アドバイス
自ら進んで卒業論文を作成する意欲ある学生を望む。
個人指導なのでゼミとの相性の悪い学生は取らないこと。

卒業生たちの進路

一般企業が多い。職種は多彩。公務員数名。数名かが大学院へ進学者が数名。

学会、社会活動など

  • 日本社会心理学会
  • 日本応用心理学会
  • テレビ、雑誌のコメント、著作

自己紹介

私は高校時代から実験的なことが好きで、しかし自然科学よりも社会、人間を対象にする分野を望み、実験社会心理学を選びました。
そして対人や恋愛について研究するようになったわけですが、それは人間の根本にある「人が人を好きになる」という心理を探ってみたいと考えたわけです。

当時、アメリカでは研究が進められていましたが、日本において心理学者による実証的恋愛心理学の研究は珍しかったことから、マスコミにも注目されて、数々のTV番組に出演。
書籍も好評で著書『それいけココロジー』はシリーズ化され、数多くの著書が世界各国で翻訳されています。

主な著書

  1. 『「前向き力」が身につく本』(成美堂出版)
  2. 『日本人の自己呈示の社会心理学的研究 ホンネとタテマエの実証的研究』(誠信書房)
  3. 『自己チュウには理由がある』(文藝春秋)
  4. 『言うこととやることがあまりに違う人』(講談社)(八千代出版)
  5. 『人はなぜ足を引っ張り合うのか』(プレジデント社)
  6. 『図解雑学恋愛心理学』(ナツメ社)
  7. 『心理分析ができる本』(三笠書房)
  8. など他、200冊以上。

新入生へのメッセージ

対人心理学とは、さまざまな角度から人間関係について観察、調査、分析、研究が続けられている研究分野であると言えるでしょう。それだけに対人心理学を学ぶことによって、良好な人間関係を結ぶノウハウを身に付けることが可能です。
信頼し合える素晴らしい人間関係を築き上げるということ、それは何物にもかえ難い、人生における幸福であると思われます。今の若者たちは対人スキルがなくて、勉学意欲はあるのに、不登校になってしまったり、就職しても、仕事には興味があるのに、すぐ会社を辞めてしまうなど、ひとつの問題になっています。
そんな現代です。若者たちにこそ、対人心理学は必要不可欠な学問であると言えます。幸せな人生を歩むためにも、1人でも多くの学生に、対人心理学を学習して欲しいと願っています。